LAMMPS = Large-scale Atomic/Molecular Massively Parallel Simulator(大規模原子・分子大規模並列シミュレータ)
これは Fortran 90 で書かれた LAMMPS 2001 バージョンのドキュメントです。現在はより新しいバージョンが公開されています。詳細は LAMMPS の Web サイト http://www.cs.sandia.gov/~sjplimp/lammps.html を参照してください。
LAMMPS は、空間分割(spatial-decomposition)手法を用いて並列計算機上で分子・原子系をシミュレーションするために設計された古典分子動力学コードです。F90 と MPI メッセージパッシングライブラリをサポートするあらゆる並列プラットフォーム、または単一プロセッサのワークステーションで動作します。
LAMMPS 2001 は著作権付きコードですが、GNU General Public License(GPL)の下でオープンソースソフトウェアとして自由に配布されています。詳しくは LICENSE ファイルまたは www.gnu.org を参照してください。基本的には、GPL に従う限り、ユーザは LAMMPS を使用・改変・再配布できます。すなわち、配布するソフトウェアが GPL を継承している必要があります。
LAMMPS 2001 の主な機能は以下の通りです。
短距離レナード・ジョーンズおよびクーロン相互作用の対間相互作用
Ewald 法または PPPM(particle-mesh Ewald)による長距離クーロン相互作用
短距離調和結合ポテンシャル(結合、角度、ねじれ、非正則)
短距離クラス II(交差項)分子ポテンシャル
NVE、NVT、NPT の各ダイナミクス
原子または原子群への拘束条件
rRESPA 長時間スケール積分器
エネルギー最小化器(ヘッセ行列フリーの切断ニュートン法)
研究向けクラウドや HPC リソースなどの広告が表示される場合があります。
LAMMPS 99 を使っていたユーザ向けに補足すると、このバージョンは動的メモリアロケーションを活用するために F90 で書き直されています。これにより、問題ごとにパラメータ設定を調整してコードを再コンパイルする手間が大幅に減ります。この改善に伴い、LAMMPS 入力スクリプト内のコマンド順序に新しい規則が導入され、メモリアロケータを制御するための新しいコマンドも追加されました。詳細は `input_commands` ファイル冒頭のセクションを参照してください。
コードに関する詳細は、この HTML 版またはテキスト版のドキュメントに記載されています。LAMMPS の Web ページ(www.cs.sandia.gov/~sjplimp/lammps.html)では、ベンチマーク結果や LAMMPS を用いた論文のリストが確認できます。これらは LAMMPS でモデル化可能な科学的課題の例です。以下の論文では、コードで使用されている並列アルゴリズムが説明されています。LAMMPS の結果を自身の研究に使用した場合は、ぜひこれらを引用してください。また、論文情報を送っていただければ、LAMMPS の Web ページに追加させていただきます。
S. J. Plimpton, R. Pollock, M. Stevens, 「Particle-Mesh Ewald and rRESPA for Parallel Molecular Dynamics Simulations」, Proc. of the Eighth SIAM Conference on Parallel Processing for Scientific Computing, Minneapolis, MN, 1997 年 3 月。
S. J. Plimpton, "Fast Parallel Algorithms for Short-Range Molecular Dynamics", J. Comp. Phys., 117, 1-19 (1995).
LAMMPS は当初、産業界 3 社(Cray Research、Bristol-Myers Squibb、Dupont)と米国エネルギー省の 2 つの研究所(サンディア国立研究所とローレンス・リバモア国立研究所)による 5 者共同研究(CRADA)の一環として開発されました。
LAMMPS の主な作者は Steve Plimpton ですが、以下の開発者もコードの主要部分を執筆または改良しています。
Roy Pollock(LLNL):Ewald、PPPM ソルバ
Mark Stevens(サンディア):rRESPA、NPT 積分器
Eric Simon(Cray Research):クラス II 力場
Todd Plantenga(サンディア):エネルギー最小化器
Steve Lustig(Dupont):msi2lmp ツール
Mike Peachey(Cray Research):msi2lmp ツール
その他、LAMMPS の設計とテストに関与した CRADA パートナーは以下の通りです。
John Carpenter(Cray Research)
Terry Stouch(Bristol-Myers Squibb)
Jim Belak(LLNL)
LAMMPS に関する質問は、以下までご連絡ください。
Steve Plimpton
sjplimp@sandia.gov
www.cs.sandia.gov/~sjplimp
Sandia National Labs
Albuquerque, NM 87185
LAMMPS に関する追加情報
Basics
LAMMPS の作成・実行・テスト方法とサンプル問題
Input Commands
LAMMPS で使用する入力コマンドの完全な一覧
Data Format
LAMMPS が使用するデータファイル形式
Force Fields
LAMMPS が力場を計算するための方程式
Units
LAMMPS の入出力および内部で用いる単位系
History
LAMMPS に追加された機能の簡単な年表
Deficiencies
LAMMPS に(まだ)実装されていない機能